Loyalty(ロイヤルティ)、Royalty(ロイヤリティ)、どっち?

マーケティング分野でよく使われる用語だが、訳語を間違える翻訳者はいないだろう。迷うとしたら、ロイヤルティとロイヤリティのどっち(”ル”または”リ”のどちら)の表記が正しいか、だと思う。翻訳プロジェクトにおいて、訳語の指定があればそれを使えばいいのだが、指定がないとしたらどっちの表記が一般的に広く使われているかで判断するしかない。ロイヤルティが多いような気がする。
辞書的な訳としては、忠誠(心)とか愛着(心)だが、どうもしっくりこない。例えば、brand loyaltyを”ブランドへの愛着”と表現しても、正確性に欠ける。”~忠誠”とすれば気持ち悪いほどの違和感がある。Brand loyalty”の結果、消費者はある特定のブランドを繰り返し購買するのだが、市場に競合のない製品(ブランド)を繰り返し購入せざるを得ないようなケースは、当然ながらブランドロイヤルティとは言わない。”それが絶対好き!これしか買わない!”というのがロイヤルティである。
因みに、ロイヤリティ(Royalty)は、ライセンス料や著作権使用料など、権利者へ支払う対価のこと。それをロイヤルティと発音してもいいのだろうが、意地を張らずにロイヤ”ル”ティとロイヤ”リ”ティを使い分けよう。LとRの違いを日本語で表記するのが難しいために、語中の”ル”と”リ”で違いを表現しようとしたのかどうか、起源はわからないが…。

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