スタイルガイド

翻訳に際してのルールをまとめたスタイルガイドというのがある。文体などをこまごまと事前に決めておくのである。それこそ、100ページや200ページといったスタイルガイドもある。

最近、あるスタイルガイドを読んでいて頷いたことがあった。ガイドの中に、”視覚的なバランス”という言葉が出てきた。まさに、文章を校正するときのポイントである。しかしながら、そういったポイントを明記しているようなガイドは滅多にない。

視覚的にバランスの悪い文章には、必ずと言っていいほど問題がある。漢字だらけで黒っぽく見える文章のかたまりや、ひらがなだらけで白っぽくカスカスに見える文章には、やはりどこか欠点やミスがあるものだ。

極端な言い方をすると、プロの校正者は文章を読まなくても、視覚的なバランスだけで校正の必要な箇所をほぼ見つけ出すことができる。それも瞬間的に。

そういったプロの感覚を持った人が、そのスタイルガイドをまとめたに違いないと思うだけで嬉しくなった。そのガイドは10ページにも満たないが、まさにガイドだ。

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