品質の2極化

翻訳プロジェクトにおいて、クライアントのニーズに応じて品質の2極化が進んでいる。
以前からあるPremium品質の翻訳では用語の統一、スタイルの準拠、流暢さ、ターゲット読者を意識した読みやすさなどの項目が高いレベルで要求される。他方、Basic品質の翻訳では誤訳、ユーザーの誤解を招くような翻訳のみがエラーとカウントされる。両者の間にはもちろん受注価格にもかなりのギャップがある。
このように品質を指定して、その品質によって受注価格が変わるプロジェクトはここ4,5年にわたって多くみられるようになった。「品質を可能な限り上げる」ことは、品質の高い翻訳者、校正者をアサインし、時間をかければほぼ達成できる。だが「品質をある段階まで落とす」のは、そのさじ加減が非常に難しい。翻訳の品質評価に数値方式が採用されて久しいが、依然、評価者の主観に左右されるところが多い。
社内工数を調整し、如何にクライアントが求める品質を達成するのか、まだまだ試行錯誤が続く。

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