ニュースに出てきた”反すう”という言葉を、英語メディアはどう英訳して伝えているのだろうか。この言葉、医学(酪農など)の分野のドキュメントに出てくる。牛や羊などの反すう動物が食物を口で咀嚼し、反芻胃で消化した後に再び口に戻してムシャムシャと咀嚼することを繰り返す行為を指す。さて、ニュースに出てきた”反すうし考える”という表現を、英語メディアがどう訳して報道しているのか。実際の英語ニュースはまだ聞いていないが、推測するに、consider、think again、think over、further thoughといった単語を使うのだろう。ruminateやchew the cudといった表現で伝えるメディアはあるだろうか。あったとしても少ないだろう。生徒が先生の教えを、子供が親の言うことを”反すう”するならわかるが…。そう言えば、ユダヤ教の食事規定(カシュルート)の中にカーシェール(食べてよい食物)として”反すう”動物が出てくる。
False negative(誤検知、誤検出、誤判定→)
たとえば、迷惑メールを正常メールと判断してしまうこと。逆に、正常メールを迷惑メールと判定されることをFalse positiveと言う。見方によっては、ネガティブとポジティブが逆のような気もするが、「不正アクセス者」を「認証されたユーザー」と判定されることがネガティブなことだと考えれば何となく理解できるだろう。そう、この場合をFalse negativeと言うのである。それでも、やはり混乱してしまう用語なのは確か。医学分野では”False negative(偽陰性)”、”False positive(偽陽性)”と訳すが、一般には馴染みのない言葉だけに、一般向けドキュメントでは文脈によって訳しわけた方がいい。情報セキュリティの分野では、”誤った判定”などと訳したほうがわかりやすくなる場合も多い。文脈が曖昧な場合は、誤検知(False~)と日英併記にする手もある。
Production environment(本番環境)
システム開発の分野ではこう訳す。分野によっては生産環境でもいいが、そこをグッとこらえて本番環境と訳そう。RealとかActualがenvironmentの前にある場合はどう訳すか。単純に、実環境とか実際の環境と訳す。場合によっては現実環境と訳す場合もあるが、厳密にはReality environmentを現実環境と訳す場合が多い。本番環境というのは、システムが製品として実際に稼動している環境を指すが、対比的な用語として開発環境(Development environment)がある。開発すれば本番前には検証しなければならない。その段階の環境をステージング環境(Staging environment)と言う。