Kick the can down the road(問題を先送りする)

時事英語の問題?
“缶けり”と言えば、”昭和時代の子どもの遊び”(今の子どもたちは缶けり遊びをやるのかな~)だが、時事表現では良く出てくる。今の世の中、先送りにされてきた問題が山積…。それはさておき…、

缶(the can)を、道の先(down the road)に、蹴っ飛ばす(kick)という表現が、問題を将来に先送りするという意味に転ずるのだが、どんなに遠くに蹴っ飛ばしてもその問題が消えてなくなるわけではない。

road(道路)の代わりにrunway(滑走路)が使われることがある。ニュアンスの違いだが、runwayには”花道”という意味もある。また、downには”中心から離れる”という意味も含まれることがある。問題を先送りする政治(家)を皮肉ったりするときに使われるのだが…。^_^

downが出てきたついでにワンポイント!

speed downをスピードダウン(スピードを落とす)と勘違いしないように。恐ろしい和製英語。英語でspeed downとはスピードを落とすことではない。加速することを意味するので要注意。例えば、speed down the runwayとあったら、飛行機が滑走路を加速しながら離陸していくこと。和製英語が頭にあると、悲劇的な誤訳を生みかねない。

Office administrator(秘書、…)

“事務管理者”って直訳してしまうと、具体的なイメージがわかない。役職の翻訳は、ホンとやっかいである。国や会社によっても、その定義が異なるからだ。米国系の企業でOffice administratorと言えば、一般的には秘書的業務を行う人のこと。ならば、Secretaryとの違いは?と問いかけられそうだが、ほぼ同じ意味で使われている場合もあれば、まったく異なる場合もある。Secretaryの定義はこれまた多様なだけに、文脈を読み取る必要がある。企業の役職を翻訳する際は、どこの国の企業か、その役職の業務内容はどういったものかを確認(調査)した方がいいだろう。

翻訳って、調査業務みたいなもの…なのかも…。

Evoked set(想起集合)

マーケティング業界でよく使われるが、ブランディングにおいて重要な尺度である。意味は文字どおり、消費者に(世の中にある無数の商品やサービスの中から、自社が販売するそれらが”選択肢(集合)”の1つとして)まず想起して(思い浮かべて)もらうということだ。選択肢(候補)に入るということは、消費者の記憶に残っているということだが、記憶からダイレクトに想起してもらうブランディングが重要ということになる。
ただ、この訳語は、読者によっては???となるかもしれない。そういった場合は、文脈を考え”選択肢”とか”思い浮かぶブランド”と訳した方がわかりやすくなるだろう。