冗長化とバックアップ

Telecommunications equipment in one corner of a small data center. Contributed and licensed under the GFDL by the photographer, Gregory Maxwell.大手のレンタルサーバー会社で大規模な障害が発生し、データ消失という最悪の事態が発生したとの報道がありました。

公開された中間報告によれば、原因はセキュリティ対策のために行われたシステムの更新作業だったようです。さらに、本運用のシステムと予備システムの両方で行ったため、データの復旧が困難になったということです。

システムは冗長化されていたものの、正副両方に同じ作業を行ったことで取り返しのつかない状況になってしまったものと思われます。

そもそも、冗長化は「システムを稼働させ続ける」ための備えのことです。システムそのものを複数持つこともそうですし、ハードウェアのレベルでは電源やストレージの多重化などが行われます。ただ、2重3重の対策をとったとしても、時にそれらをやすやすとすり抜けて障害が発生することがあります。

そこで、最後の頼みの綱となるのがバックアップです。システムが完全にお釈迦になってしまった場合は、それ以外に救いの手はありません。ところが、バックアップをきっちり真面目にやろうとすると、世代管理の手間やストレージの用意など、それなりのコストが発生することになります。日々の業務に追われ、そのあたりがなおざりになってしまうのが一番恐ろしいことです。

これまで、冗長化とバックアップを漠然と捉えてきましたが、両者の違いをよく肝に銘じておこうと思います。

noise figure(雑音指数)

図1

図2

マイクロ波測定に関する翻訳で、noise figure(雑音指数)という言葉が出てくる。身近な例では、BSアンテナやCSアンテナの仕様に「雑音指数」という項目がある。

雑音指数とは、信号がデバイスを通過する際の、デバイスの入力端でのS/N比と出力端でのS/N比との比で、「デバイスを通過することによって生じるS/N比の減少度あるいは劣化度」を意味する。例えば、スペクトラム・アナライザで、増幅器の入力端で図1の(a)のような信号が観測され、出力端で(b)のような信号が観測されたとすると、信号の利得は、-40dBm-(-60dBm)=20dBなので、入力端での雑音パワー(-100dBm)も増幅器によって20dB増幅され、出力端では-80dBmとなるはずだが、実際には、増幅器内部で発生した雑音が加わり-70dBmになっている。この10dBの劣化が雑音指数である。

ここで、雑音指数の定義式を、デバイスの利得をG、デバイス内部で付加される雑音をNとして書き換えると、図2のようにデバイスの入力端での雑音パワーに依存する式となる。入力端での雑音パワーは、kTB(ここで、kはボルツマン定数(1.38×10^-23 J/K)、Tは入力信号源の温度(K)、Bはシステムの雑音帯域幅(Hz))なので、結果として、雑音指数は、入力信号源の温度Tに依存する。IEEEでは、雑音指数を決定するための標準温度Tとして290Kを推奨している。雑音指数の測定法として、Yファクタ法コールドソース法などがある。

雑音指数についての詳細は、以下のリンクを参照。

RFおよびマイクロ波の雑音指数測定の基礎

Repository(リポジトリ)

Repository(リポジトリ)
ITの分野でRepositoryとは、データの貯蔵場所を意味する。データや処理工程における情報、プログラムなどが保管され一元的に管理されているデータベースのようなもの。具体的には、設定情報のファイル、これらのデータやファイルが保管されているフォルダー、ソースコードや仕様情報が保管されているシステムなどを指す。また、ライブラリーを集めたサーバーを意味する場合もある。このリポジトリからファイルなどをローカルにコピーして作業を行い、終了したらリポジトリーに返す(差分をアップデートする)わけだ。つまり、ファイルのチェックアウトやチェックインをする。よく耳にするメタデータなどは、このリポジトリで管理している。レポジトリとも表記されたりするが、リポジトリとするケースが多い。