「歴史に学ぶことの大切さ」

これまでになく、世界的にも「歴史に学ぶことの大切さ」が叫ばれている。歴史から学ぶことを怠れば、同じ過ちを繰り返すことになるからだ。

歴史的な哲学者などが、そのことを言い続けてきた。代表的なフレーズを挙げるとしたら、直ぐに頭に浮かぶのは以下の2つだろうか。

We learn from history that we do not learn from history.
– Georg Wilhelm Friedrich Hegel

Those who cannot remember the past are condemned to repeat it.
– George Santayana

これらは、わたし自身が講演や寄稿の際によく触れるため丸暗記しているフレーズでもある。

こういうフレーズが歴史に残るということは、人類は同じ過ちを繰り返し続けていることの証でもある。歴史から学んでいないことを悟りながらも、人類はそれを繰り返していることになる。英語で表現すれば、以下のようになるのだろう。

The only thing we learn from history is that we never learn from history.

歴史を知れば、歴史から学ぶことの大切さに気付くものなのだろうが(The more you know about the past, the more you realize the importance of learning from the past)、それでも歴史は繰り返している(History repeats itself)。

いつも、講演や寄稿の最後に記すわたしのコメントを一言…。

“歴史は繰り返されている。歴史に背を向けたときに、人類は再び大きな過ちを犯すことになるだろう”

History is repeating. When turning our backs on the history, humankind will continue to make the same grave mistakes.

敢えてしつこく繰り返し述べるとしたら…

“It’s never too late to learn from history, because history is repeating. It’s never too late to become what we might have been.

遅きに失した悲劇は無数に存在する。が、あきらめない姿勢が大切なのだと思う。

Vender lock-in(ベンダーロックイン)

一言で言えば、ユーザーの囲い込み。特定のベンダー(メーカーなど)の製品や技術に依存し過ぎると、他のベンダーのそれらへの乗り換えは困難になってしまうもの。選択肢が狭まり価格が高くなっても購入せざるを得ない状況に陥ってしまうケースも起こり得る。オープンアーキテクチャやオープンソース製品などを利用することで、ある程度のロックイン回避も図れるが、話題が高まっているのはクラウドサービスによるベンダーロックイン。サービス提供側とユーザー側との微妙な駆け引きは続く。

Onboarding(オンボーディング)

海外への飛行機の中では”Welcome onboard(オンボード)this flight…”といったアナウンスが流れるが、ITの分野でオンボードとは、マザーボード上に何らかの機能を備えた部品(デバイス)が搭載されている状態やそういった部品のことを指す。さて、ここで言うオンボーディングとは、新メンバー(例えば、新しい社員/乗組員/加入者など)を組織(プログラムなど)にスムーズにかつ迅速に熔けこませ機能させる(パフォーマンスを促進させる)プロセスを意味する。因みに、金融(証券)分野でクライアントオンボーディング業務と言うと、顧客口座開設にあたり顧客や参照データの確認など(いわゆるデューディリジェンス全般)を意味する。文脈を理解していないと、とんでもない誤訳をしかねない。