Wi-SUN

無線通信測定に関する翻訳に、Wi-SUNという言葉がよく出てくる(例えば、標準信号発生器セレクションガイドのp7)。

Wi-SUNは、Wireless Smart Utility Networkの略で、日本のNICT(情報通信研究機構)が主導してIEEEで標準化された無線通信規格(IEEE 802.15.4g)の商品名である。「IEEE」は、「The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.(米国電気電子技術者学会)」の略称で、「802」は「802委員会(LAN/MANの標準化委員会)」の意味であり、「15」は「無線パーソナルエリアネットワークのワーキング・グループ」という意味である。Bluetooth規格は「IEEE 802.15.1」、ZigBee規格は「IEEE 802.15.4」をベースにしている。「IEEE 802.15.4」は、通信速度よりも小型、低価格、低消費電力が重視された規格である。

Wi-SUN(IEEE 802.15.4g)は、ZigBee規格(IEEE 802.15.4)を拡張したもので、無線通信機能(自動検針、課金、遮断機能)付きの電気、ガス、水道などのメーター(スマートメーターと呼ばれる)用に制定された規格である。また、人の介在なしで機器同士の通信を行なう「M2M」(Machine to Machine)や「IoT」(Internet of Things)によるビックデータの収集/活用のための通信手段として期待されている。

Wi-SUNは、ZigBeeに対して、変調方式の追加、周波数帯の拡張、ペイロード長の拡張が行われ、通信距離が長く(最大約100m 対 最大2~3km)、消費電力が1/10以下で乾電池数個で10年の動作が可能になっている。

Wi-SUNについては、以下を参照。

2年後にはスマホにもWi-SUN」―標準化を先導するNICTがWi-SUN普及に自信

コメントは受け付けていません。