オペアンプ測定に関する翻訳で、PSRR(電源電圧変動除去比)という言葉がよく出てくる(例えば、Keysight E5061Bネットワーク・アナライザのp5)。PSRRは、Power Supply Rejection Ratioの略である。
PSRRとは、オペアンプ、ADコンバータ、リニア・レギュレータなどのアナログICデバイスに入力される電源電圧に変動(リップル)があるときに、そのデバイスが電源電圧の変動を除去できる能力であり、以下のように定義される。
PSRR(dB)=20log(ΔVsupply/ΔVout)、ΔVsupply:電源電圧の変動、ΔVout:デバイスの出力電圧の変動
例えば、電源電圧が1V変化したときに、デバイスの出力電圧が10μV変化したとすると、PSRR(dB)=20log(1/10×10^(-6))=20log(10^5)=100(dB)となる。
電源電圧の変動(リップル)の原因には、AC電源ライン周波数に起因する変動、DC/DCコンバータのスイッチング周波数に起因する変動、電源を複数の回路ブロックで共有することによる変動などがあり、PSRRはアナログICデバイスの重要な性能指標である。
PSRR(電源電圧変動除去比)については、以下を参照。