便利な表現なので多用されているが、日本語に翻訳するとなると”しっくりこない”場合が多いはず。make it~もその一つ。”it”が入る文章の解釈が苦手な人が多いようだ。悩むことなく、こう考えよう。”make it~”と出てきたら、後に続く単語を文脈から判断して訳す。例えば、~clearなら”はっきりとさせる”とか。ただし、make it clearはmake clearで代用できたりする。どちらにしろ、後ろに続く単語の訳を考えればすぐに理解できるはずだ。その他の例としては、~happenだと”実現させる”、~countなら”大切にする”、~possible”可能にする”、~work”機能させる”、~better”改善/向上/良くする”とか、文脈によっていかようにも翻訳できる。英語で多用されている理由は、簡単な表現だからであるが、文脈全体の把握が必要な翻訳者にとっては、解釈の広がる”make/have/get/let”などと”it”の組み合わせは厄介者かもしれない。
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Market force(市場要因/市場力)
“市場の影響”と誤訳してしまいそうな用語。通常は市場要因と訳すが、金融/証券などの分野では、実勢相場を意味するケースもある。因みに、Market influenceとは意味が異なるので注意が必要だ。Market influenceは、”市場への影響(力)”とか”市場の影響(力)”と訳す。が、”~への”と”~の”では意味がまったく異なるので、文脈を理解して訳す必要がある。英文では、誤解を避けるために、通常は”Market impact”を使う。つまり、Market impactを”市場への影響(力)”と訳す。ただ、impactは”効果”と訳した方が文意として座りがいい場合もあるので、しっかりと文脈を読み取ろう。