機械翻訳

この数十年間の機械翻訳に対する市場の評価は、浮き沈みこそあれ確実に高まってきている。機械翻訳技術の歴史は、1930年代までさかのぼるのだが、市場の脚光を集め始めたのは1980年代になってからだ。1990年代に、商用使用が加速し始めたときは、さまざまなメーカーが翻訳ソフトを市場投入しブームが起こった。2000年代になり、技術(コンピューターの能力や容量)の拡大と相まって、機械翻訳の活用に向けた研究がさらに進み、ここ1~2年、世界的な企業では機械翻訳を使用しての「アジャイル(俊敏)」なビジネス展開を本格化させる動きが出始めている。ローカライズのフロントランナーとして、ローカライズ(翻訳)の現場では、エキサイティングなチャレンジが続く。

因みに、機械翻訳という表現が、昨今の市場の潮流を形成し始めている翻訳スタイルを適切に表しているかどうかは疑問だ。機械翻訳とコンピューター支援翻訳とは技術的な仕組みは異なるので、各種(構造、形態素、文脈など)の解析を伴わない翻訳システムに関しては、データベース型翻訳とでも称したいところだ。が、データベースシステムに解析能力と匹敵するような機能を持たせることも可能なことを考えると、単純に自動翻訳とでも表現した方がいいのだろうか。

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