Widget(ウィジェット)、Gadget(ガジェット)

一緒に理解した方がいい用語。CEOメッセージでも紹介しているのでそちらも見て欲しいが、”便利なミニアプリ”であり、”あれば便利なアクセサリーソフト”とも言えるが、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の要素が強いプログラムであるため対話型ツールでもある。言うなれば、さまざまな”かわいいミニアプリ(情報や機能)”へのアクセスを提供するアプレット(小さなプログラム)のようなもの。ウィジェット/ガジェットというように一緒くたに扱われる傾向にあるが、エンジンの提供元によって表記が違うので、ローカライザーとしては、正確に用語どおり訳しておくべきだろう。

Award-winning(…)

IT分野のドキュメントでは”受賞歴のある”とか”賞を獲得した”といったような訳語がよく使われる。翻訳依頼側の担当者がそう指定しているのかもしれない。英語がそうなっているし、何となく宣伝になるかも、という理由からだろう。海外では”受賞”とさえ書けば何となく宣伝になるということはわかる。しかし。日本の社会では、何の賞なのかを明記せずに”受賞歴のある”と表記するだけでは、マイナスのイメージを与えかねない。”何の賞?”と聞き返したくもなる。誰も知らない、あるいは権威のない賞なら、宣伝文句としては使わない方がいい。逆効果を生みかねない。具体的な賞名がわからないのであれば、あるいは数多くの賞にでも輝いていない限り、訳すかどうか依頼側の担当者と相談した方がいい。そうでなければ、”評価の高い””定評の””実績を誇る””幅広く高い支持を集める”などと文脈を考えて別の表現を用いた方がスッキリする。業界関係者しか知らない賞であれば、文脈のどこかにそっと添える程度がいい。謙虚さを、日本の読者は見逃さない。”この製品、実はスゲえ!”と感嘆するかも。それが日本かな…。

Deduplication(デデュプリケーション、重複除去、重複排除、重複除外、非重複化)

データ保管(バックアップ)の際に、重複しているデータを検出して除く技術なのだが、いろいろな訳語が使われている。ローカライザーとしては、煩わしいことだ。どの訳語に統一されていくのかは、市場に任せるしかないのだろう。
訳語が複数存在する理由は、重複を”(…)する場所とタイミング(方式)”に起因している。その方式が、おおよそ3とおりある。先ず、バックアップの際にサーバ側で重複を検出して”(…)する方式”。次に、サーバーからストレージへの転送過程で”(…)する方式”。そして、転送先のストレージ内で”(…)する方式”である。つまり、それぞれのメーカーが採用した”(…)する方式”によって、除外、除去、排除といったニュアンスの異なる用語が使われだしたわけだ。また、バックアップデータの重複化を避ける意味で”非重複化”と言いきってしまうのも頷ける。漢字表記をやめて、カタカナ表記にしてしまおうと考えるのも、また頷ける。