Capital Expenditureを略した表現。CapExと表記したりもする。文脈を把握して翻訳しているかどうかで翻訳品質に違いが出るので、用語の意味も理解しておきたい。一言で説明すると、資産として計上され減価償却の対象となる支出のこと。厳密には詳細な説明が必要になってくるが、意味がピンとこないということであれば、こう考えよう。不動産(建物や大型の設備など)の大規模な修繕や耐用年数を延ばすなど、良くするための支出がこれにあたる。良くするわけだから不動産などの価額や価値が上がることになる。そのため、資産として計上され減価償却の対象となる。つまり、単なる経費として処理される支出とは異なる。CAPEXとよく一緒にでてくる用語にOPEXというのがある。

Due diligence(デューディリジェンス)
企業の開示情報の法律適合性などを精査する場合によく使われていた。最近は特に、投資対象の適格性調査や企業価値評価などにおいて出会うようになった。資産や負債などの財務査定や法務調査をはじめ、生産や販売能力、業務実態、職務環境の調査など、使われる領域は多岐にわたっている。しかし、デューディリジェンスと言っても、専門家でもない限りピンとこないのも事実。訳す場合は、ドキュメントのターゲット(読者層)を知る必要がある。一般向けであれば、資産、価値、詳細、適正、調査、精査、事前といった言葉を文脈から判断して組み合わせ、「詳細調査」「適正評価」「資産の適正精査」などと訳した方がわかりやすいだろう。
Rumination(反すう)
ニュースに出てきた”反すう”という言葉を、英語メディアはどう英訳して伝えているのだろうか。この言葉、医学(酪農など)の分野のドキュメントに出てくる。牛や羊などの反すう動物が食物を口で咀嚼し、反芻胃で消化した後に再び口に戻してムシャムシャと咀嚼することを繰り返す行為を指す。さて、ニュースに出てきた”反すうし考える”という表現を、英語メディアがどう訳して報道しているのか。実際の英語ニュースはまだ聞いていないが、推測するに、consider、think again、think over、further thoughといった単語を使うのだろう。ruminateやchew the cudといった表現で伝えるメディアはあるだろうか。あったとしても少ないだろう。生徒が先生の教えを、子供が親の言うことを”反すう”するならわかるが…。そう言えば、ユダヤ教の食事規定(カシュルート)の中にカーシェール(食べてよい食物)として”反すう”動物が出てくる。