Trados Studio 2011 SP2R Cumulative update 11

【2013.10.29追記】
このパッチで保存に時間がかかる問題が解消するとお知らせしましたが、追試を行ったところ完全に解消されたとは言えないという結論に達しました。やはり、MSEを利用している場合には、Trados 2011をその監視下から外すことが必要になります。

不正確な情報を掲載したことをお詫びいたします。

【2013.10.25 追記】
「Cumulative update 11」はエンバグしてしまったようなので、問題を解消した「Cumulative update 12」がリリースされました。こちらをご利用下さい。

先日、Trados Studio 2011用の最新パッチ「Cumulative update 11」がリリースされました。SP2R (version 10.2.3046.0)以降のビルドに適用可能なものです。

変更点は大きく分けて2つ。ネットワークライセンスの運用における安定性向上とStudioのバグフィックスとなります。

修正リストのなかで、特に注目したのが次の項目です。

#46337 SDL XLIFF: Performance is not great when writing to network share or when processing files with lot of contexts

以前このblogでも取り上げましたが、Trados 2011とMicrosoft Security Essentials(MSE)の間にはコンフリクトがあり、sdlxliffの保存に時間が掛かるという問題が発生していました。

弊社ではTrados 2011をMSEの監視対象から外すというワークアラウンドを実施していました。この方法は、結果としてセキュリティのレベルを下げることになり、おすすめできる方法ではありませんでした。そこで、この問題も解消されるのではないかという期待のもとにアップデートを適用し、保存に時間が掛かるプロジェクトを選び出しテストを行いました。

結果としては、残念ながら全てのプロジェクトにおいて問題が解消したとは言えない状況です。今後のアップデートに期待したいと思います。

その結果は大成功。Trados 2011をMSEの監視下においた状態でも、保存がスムーズに行われることを確認しました。

修正までかなりの時間を要しましたが、ようやくセキュリティのレベルを下げることなくTrados 2011を利用出来るようになりました。

Trados Studio 2014 のライセンスサーバ運用

Trados Studio 2014が発売になりました。

先日購入した前バージョンの2011に、2014への無償アップグレード権が付いていましたので、テストも兼ねてアップグレードしてみました。しかし、これが一筋縄では行きませんでした。networkライセンスを利用している場合、覚えておかなくてはならないポイントがいくつかありますので、ここでご紹介したいと思います。

TrdsLic

  1. SDL Licensing Server Toolkitはv1.6以上をインストールする
  2. ライセンスサーバとクライアント(Trados Studio 201x、Passolo)は、同一コンピューターにインストールできない
  3. ライセンスサーバがホストできるのは1つのバージョンに限る
    → 2011と2014を共存させる場合、それぞれの専用サーバが必要
  4. 2011から2014へアップグレードしたユーザーは、2014のライセンスで2011を使用することが出来る


つまり、図のようにアップグレードのユーザを除いて、それぞれの専用ライセンスサーバへ接続する必要があるということになります。開発元のSDLが2009までと2011以降では異なるベンダーのライセンス管理システムを導入したため、あれこれ制限が生じるようになったようです。

ということで、2014へのアップグレードについてはSDLのサポートに相談のうえ、プランを練ってから行うことをおすすめします。