独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、欧米におけるアジャイル型開発手法の普及について要因を調査し、レポートにまとめています。
ざっくりとその要因を挙げてみます。
- 顧客(開発依頼側)と開発チームが綿密なコミュニケーションを取り、ゴールを共有できる関係である
- ソフトウェアの仕様変更に対し柔軟である
- アジャイル型開発の導入で顧客のビジネス成功率が高まることを実感している
- 政府がアジャイル型開発の効果を認め、調達においてアジャイル型開発を積極的に採用し、普及を促進している
さらに、環境的な要因として流動性が高く豊富なIT人材の存在と、それらを養成する高等教育機関の充実を指摘しています。
また、調査では各国のITベンダーにインタビューを行なっているのですが、中国のベンダーのコメントが印象に残りました。
顧客にとってアジャイルかどうかは意味をもたず、より品質の高いソフトウェアが早く欲しい。品質の観点では、UI が大きな意味をもってきているために、動くソフトウェアを見ながらフィードバックを受け付けるアジャイルが必要。
結局のところ、開発手法というのは手段の話に過ぎません。それがアジャイル型でも、ウォータフォール型であったとしても、我々に求められるのはクライアントのニーズに真摯に向き合い、実現することです。
そのためにも新しい概念や手法にも対応できるよう、スキルを磨いていきたいと思います。
- 非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査報告書(ipa.go.jp)