リコピン-リコペン カロチン-カロテン

朝のテレビから聞きなれない言葉が聞こえてきました。

「リコペン」。はて? 小学生の頃、近くの公園でやった(缶蹴り+かくれんぼ)÷2 的な遊びが頭をよぎりましたが、そんなわけもなく…。

それはトマトに含まれる赤い色素で抗酸化作用が注目されるあの成分のことでした。でもあれは「リコピン」では? そう思ったのですが、ただ単に英語読みで「リコペン」、ドイツ語読みで「リコピン」ということだそうです。ちょっと調べてみましたが、農水省の表記は「リコペン(リコピン)」、ケチャップでお馴染みのカゴメでは「リコピン」でした。

ということで、朝の番組は農水省の表記にならっているのかもしれません。

似たような話をもうひとつ。にんじんになどに含まれる栄養素として知られる「カロチン」。しかし、現在この表記は使いません。すべて「カロテン」で統一されています。2000年に食品成分表がに改定された際、「カロチン」→「カロテン」と表記が変更されたのがきっかけです。いまの子供たちは家庭科の授業で「カロテン」と習っているわけです。

ドラえもんのものまねを大山のぶ代の声でやってしまったり、テレ朝を見ようとしてリモコンの「10」を押したりと、ジェネレーションギャップのネタは尽きまじといったところです。

Implement(実装する、インプリメント…、実行…、実施…、実現…、…)

IT分野のドキュメントなら、”実装する”とか”インプリメントする”とか訳す。IT技術者にとっては、その用語で何ら違和感はない。実装というのは、機器やソフトアに新しい機能、部品、仕様、プログラムや関数などを組み込む行為のことだが、”実装”にするか”インプリメント”にするかはプロジェクトごとの確認が必要だろう。文脈によっては”導入”と訳す場合もある。何れにしても、文脈に従えばよい。一般的なドキュメントでは、言うまでもなく”実装”や”インプリメント”などとは訳さない。分野やターゲットなる読者層を考えて、実行、実施、実現といった訳語を用いるべきだろう。

Premium(プレミアム、……)

翻訳者泣かせの単語でもある。分野によって訳語が異なるからだ。カタカナ表記が安全ではあるが、翻訳者としては最適な訳語を用いたい。そのためには、この単語の意味を理解するしかない。
Preの接頭辞からして、ラテン語のPrimusかPraeあたりが起源なのだろうと想像できる。楽しく解釈すれば、Primusには第一番目という意味もあるので、戦国時代で言うところの”一番槍”がそれにあたると推測できる。つまり、勇敢に先頭に立ち、死のリスクを負いながら敵陣に切り込んで最初に手柄をたてれば、”あっぱれ!”ということで特別に上乗せされた恩賞がもらえたわけだ。従って、一番槍は特別な存在(希少価値)であり、手柄を立てれば、通常の手柄よりも恩賞という価値が付加されたことになる。今でいう付加価値だ。それから派生してきたに違いないと考えれば、賞与、奨励金、割増給、景品類といった訳語が出てくる。逆の立場からすれば、割増金、オプション料金、手数料、掛金…がプレミアムになるといった解釈も可能となる。何れにしても、文脈を読み取ろう。