IT関連のドキュメントの中でbottom lineと出てきた場合、通常は”収益”とか”業績”と訳した方が無難におさまる。収支決算といったような会計用語を用いるケースは稀だ。ましてや、”決算表の最終行”といった辞書から拾ってきたような訳語を当てはめることはまずない。文脈から、”ビジネス成果”と意訳した表現がしっくりくる場合も多い。ITをいかにビジネス成果に結び付けるかが企業の課題だからである。
月別アーカイブ: 2012年5月
SDL Trados 2007
言わずと知れた、SDL社のCAT(Computer Assisted Translation)ツールです。業界ではデファクトスタンダードの地位を欲しいままにしています。
もしTradosがなければ、弊社には死屍累々の山が築かれるか、あるいは、それ以前に存続すらできないかも知れません。鬼に金棒、侍に日本刀、DTPにIndesign、翻訳にTradosといったところです。
しかし、このTrados、特に2007はまるで生き物のよう。「○○○(機能名)ができない! 昨日まで出来たのに!!」という阿鼻叫喚が社内に響き渡ることがあります。そこで、私の出番。Tradosの治療を始めます。軽症ならばものの数分、重症にいたっては半日以上と、パターンはさまざまです。大概は直しますが、それでもダメなときは再インストールとなります。Tradosのインストール回数なら、日本ランキング10位以内に入るかも知れません。
安定運用メモ
パッチはすべて当てましょう
おかしくなったら、まずregisterを実行
万策尽きたら、アンインストール & 再インストールの手間を惜しまない(サポート契約のある方は、サポートへ)
これらは基本中の基本です。応用編については、また別の機会にしたいと思います。
Mission critical(ミッションクリティカル)
今日もCriticalという単語と何度か出会った。以前、システムやサービスについて語っているドキュメントの中でMission critical systemを”ミッションクリティカルなシステム”と翻訳して納品したら、誤訳と指摘されたことがあった。納品先の担当者は、クリティカルという言葉(概念)に馴染みがなかったのだろう。ドキュメントの中に出てくるCiticalという単語を”重要”という訳語にすべて置き換えていた。例えば、Critical servicesは”重要なサービス”に変わっていた。せめて、”重要な”クリティカルサービスとでもして欲しかった。担当者が学校で習った訳語が”重要”だったに違いないと思うことにした。