コモディティ化を噛みしめる

つい最近、ファイルサーバのHDDが不調になり、交換を行いました。

購入したドライブは1TB、価格は1万円未満です。一時期、タイの洪水の影響で価格が高騰しましたが(主要メーカーの生産工場があるため)、ようやく落ち着いてきたようです。

十数年前だったら、1GB(1TBの1/1000)のドライブが3万円くらいだったかと思います。購入するのにも、ちょっとした決断が必要でした。わざわざ秋葉原に出掛け、安い店を探して彷徨った記憶があります。

それから時は流れ、今ではもはや消耗品の扱いです。予備も含めて2台買いすることも珍しくありません。一方、この10年で製造メーカーの淘汰は進み、Seagate、WD、東芝など数社になってしまいました。

我々ユーザにとってはいい時代になりましたが、メーカーにとっては厳しい生存競争が続いてゆきます。

Trados 6.5は偉いのだ!

SWのPropertiesファイルの翻訳の際に、SDL Trados 2007のフィルタを使うとそのままTTXに変換できる。これば便利な反面、いろいろと問題があり、いまだにリソースファイルをRTFに変換し、翻訳箇所をマーキングしてRTFベースで翻訳をしているプロジェクトも多い。

あるプロジェクトで、ソースクライアントのR&Dから送られてきたファイルをRTFにし、マクロをかけて翻訳対象個所のマークアップと改行の変換を行ない、そのあとTTXにして前バージョンのバイリンガルファイルでXtranslationする、という工程がナントWord 2003とTrados6.5の組み合わせでしかできないことがわかった。この結論まで行きつくのに半日。

Trados3.0から使用しているユーザーとして、最近のSDLTradosのバージョンはあまりにもブラックボックス的要素が多いように思う。たとえばSynergyを使用したPerfect match処理(Xtrans)にしても、使用しているマシンのJavaのVersionがあがっているとかからないケースがある。本来、アプリケーションのバージョンが上がれば上がるほど便利になっていくことを期待するのだが、いまだ6.5の方がやっていることが目に見え、どこが悪いかすぐに分かる。

2007のコンポーネントETMAシステムにいたっては「Content Management Systemを使用してTMの管理から自由になる!」というふうになったことがほとんどない。「原文に戻す」機能が使えない、Repetitionの処理ができない、翻訳後アップロードしたバイリンガルから生成されるファイルは2回に1度はうまくターゲットにならない、社内処理して新しく作成したパッケージのログはオリジナルのまま。毎回、サポートとのやりとりに時間を費やす。

IT業界に身を置く以上、アプリケーションのバージョンが上がるのは仕方がない。でもAdobeのCSもSDLもMSのOfficeも多機能ではあっても、ある人には不必要な要素をどんどん取り入れ、本当にやりたいことができなくなっている感が強い。村上春樹の『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』に出てくる最先端の脳科学者の家では「後退に結びつくことは禁じられている」ということだが、シンプルにやりたいことをコントロールできることがありがたい場合も多い。

機能が多様化するアプリケーションを開発し、市場に出すのはかまわない。そのマーケットは必ずあるのだろう。でも、あくまでも選択権は欲しい。いったん上げたら元にもどれないのではなく、あるときは最新のバージョンで、あるときは前のバージョンで、ということが可能であってほしい。Trados6.5は本当に使いやすいのだ….
SDL Trados2009を使用したプロジェクトは2年前に購入後1度しか受けていない….この現実を謙虚に見てほしい。
SDLさん、辛口コメントでごめんなさい!

Integrated(統合…)

“総合~”とか”インテグレーテッド~”とする場合もある。Integratedと混同して訳される単語に、Convergedがある。どちらも”統合~”と訳してしまうと、文脈によっては正確性を欠くことになる。最近は、Convergedは”コンバージド~”か”収束~”と訳されるようになってきたが、注意して文意を理解する必要がある。文脈によっては、Convergedを”統合~”と訳しても支障のない場合もあるが、混乱を避ける意味でも概念は厳密に区別しておいた方がいい。