I2C、SPI

シリアル・バス測定に関する翻訳に、I2C、SPIという言葉がよく出てくる(例えば、InfiniiVision 3000 X シリーズ新・定番オシロスコープ用シリアル・バス・アプリケーション)。

I2Cは、Inter-Integrated Circuitの略で、Philips社が低コストでシンプルなIC(デバイス)間の制御(通信)を実現するために開発したシリアル・バス規格である。

SPIは、Serial Peripheral Interfaceの略であり、Motorola社が提唱したシリアル・バス規格で、I2Cと同様に低コストでシンプルなIC間の制御(通信)を実現する。

I2Cは、SCL(シリアル・クロック)とSDA(シリアル・データ)の2本の信号ラインで構成され、通信速度は100kbps(標準モード)または400kbps(ファースト・モード)である。SPIは、MOSI(マスタ・データ出力/スレーブ・データ入力)およびMISO(マスタ・データ入力/スレーブ・データ出力)の2本のデータ・ラインと、CLK(クロック)およびSS(スレーブ・セレクト)の2本の制御ラインで構成で構成され、通信速度は数十Mbpsである。また、I2Cは、デバイスにアドレスを割り当てて個々のデバイスを識別しているのに対して、SPIではスレーブ・セレクト信号でデバイスを選択して通信を行う。以上から、多数のデバイスを低速で接続する場合はI2Cが用いられ、少数のデバイスをより高速で接続する必要が場合はSPIが用いられることが多い。

I2CもSPIも、パラレル・バスに比べて配線数を大幅に削減でき汎用性が高いため、民生用、産業用の多くの機器で、ICやデバイス間の通信が低速でもよい内部接続バスとして広く使用されている。

I2C、SPIについては、以下を参照。

ミックスド・シグナル・オシロスコープによるシリアル・バス・システムデバッグの4ページ「I2C(Inter-Integrated Circuit)の概要」、9ページ「SPI(Serial Peripheral Interface)の概要」

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