Gaussian distribution(ガウス分布)

図1

図2

図3

ガウス分布は、正規分布またはガウスの誤差関数と呼ばれ、数学者ガウスが19世紀初頭に測定値の偶然誤差を考察する過程で生まれた。ジッタ測定(例えば、高速データ・レートでのジッタ解析)などで、計測器の翻訳にもよく出てくる。

ある物理量を測定したとき、その測定値に偶然誤差しか含まれていないと仮定する。測定値がz1、z2、…、zn、真の値をzとすると、偶然誤差は、ξ1=z1-z、ξ2=z2-z、…、ξn=zn-zである。偶然誤差の頻度分布を、全体の頻度が1になるように規格化したものを確率密度関数といい、ξからξ+dξの範囲に誤差が生じる確率は、f(ξ)dξとなる。ξ1、ξ2、…、ξnという偶然誤差が生じる確率P(ξ1、ξ2、・・・、ξn)は、個々の偶然誤差が生じる確率f(ξ1)、f(ξ2)、・・・、f(ξn)が独立な(他の偶然誤差の発生に依存しない)ので、P(ξ1、ξ2、・・・、ξn)=f(ξ1)f(ξ2)・・・f(ξn)=f(z1-z)f(z2-z)・・・f(zn-z)と書ける(図1)。ここで、zが真の値のときにPが最大になる(真の値が測定される確率が最も高い)ので、dP/dz=0である。以下、図2、3のように計算すると、ガウス分布関数(正規分布関数、ガウスの誤差関数)が求まる。

図1、2、3の計算からわかるように、ガウス分布関数は、最初の頻度分布の詳細な形(図1のf(ξ))には依存せず、個々の偶然誤差が生じる確率が独立で、dlnf(ξ)/dξが解析的(テーラー展開可能)であるという条件のみで決まる。これが自然界にガウス分布が多く存在する理由である。

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