UWB radar(UWBレーダー)

レーダー測定に関する翻訳で、UWB radar(UWBレーダー)という言葉がよく出てくる(例えば、レーダー/EW/ELINTテスト:一般的なテスト上の問題の特定のp16)。

UWBは、Ultra WideBand(超広帯域無線)の略で、パルス幅が非常に短く(1ns以下)ピーク出力の大きなスパイク状の波形(インパルス)をパルス列としてそのまま送受信する無線通信方式である。時間領域で短くて鋭いインパルスは、周波数領域では振幅が非常に小さく極めて広いスペクトラム(超広帯域)を持つので、他の通信との混信が少なく、消費電力も小さくなる。

radarは、RAdio Detecting and Ranging(電波探知および測距)の略で、ターゲットに電波を発射して、その反射波を測定することにより、ターゲットの方向や距離を測定する装置である。

UWBレーダーは、非常に短いパルス幅の(したがって、極めて広いスペクトラムを持つ)信号を使用するので、高い距離分解能が得られる。しかし、パルス幅が非常に短く(すなわち、平均電力が極めて小さく)、広帯域(すなわち、熱雑音(帯域幅Bに比例するkTB雑音)レベルが大きい)なので、S/Nが悪くなり遠距離探知には向かいない。

しかし、近年、合成開口レーダーで使用されている従来の可視化アルゴリズムの速度(ポスト処理が必要)と精度(半波長程度)に比べて、高速に(実時間で)高解像度(1/100波長程度)が得られるアルゴリズムが開発され、乳がん検査レーダー、自動車の衝突防止レーダー、道路/橋/トンネルなどの非破壊検査レーダー、建物/部屋への不正侵入者監視レーダー、土砂などに埋もれた生存者検知レーダーなどの、近距離イメージング用途の開発が活発化している。

UWBレーダーについては、以下を参照。

UWBレーダによる身体的負担が低く安価でがんの早期発見が可能な乳がん検査装置

兵庫県立大学 大学院工学研究科 電子情報工学専攻 阪本 卓也 准教授のホームページ > 論文,会議資料 > [Proceedings for Domestic Conferences] > 30.関 鷹人, 木寺正平, 阪本卓也, 佐藤 亨, “UWBパルスレーダのための高速画像化手法の複雑形状物体への適用,”電子情報通信学会,アンテナ・伝播研究会(AP), AP2006-69, vol. 106, no. 232, pp. 1-6, 大橋会館(池尻大橋,東京), Sep. 2006. [PDF]

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