便利な日本語の表現である。”~性”とすれば、何となくそれらしい。IT分野で目につく”~y”の単語と、”3文字~性”の組み合わせをざっと挙げてみる。ここでは、少しだけ列挙する。Accuracy(正確性)、Agility(機敏性)、Availability(可用性)、Confidentiality(機密性)、Consistency(一貫性)、Efficiency(能率性)、Flexibility(柔軟性)、Functionality(機能性)、Integrity(整合性)、Productivity(生産性)、Reliability(信頼性)、Security(安全性)、Serviceability(保守性) …。まぁ、キリがない。もちろんそれぞれの単語には他の意味もあるため、文脈を理解して訳すことになる。因みに、よく使われるUsabilityは、使用性とか利用性とするより、”ユーザビリティ”とカタカナ表現した方がより正確ではある。”使い勝手”や”使いやすさ”とも、ニュアンスが違う。
Manageability(管理のしやすさ)
どう訳すか、意外と悩んだ。管理性か管理容易性と訳される場合が多いが、どちらもしっくりこない。耳触りも何となく悪い。意味的には”しやすさ”がポイントの言葉である。しかし、”~性”が流行りの昨今とは言え、管理性とか管理容易性ではどうもピンとこない。考えた末に、”管理のしやすさ”とした。その方が耳に心地良い。カタカナ表記に走らなくて良かった。おそらく、次回出会ったら、管理性か管理容易性を採用するかもしれない。なぜって?耳触りは悪くても、周りの文字とのバランスを見ると何となく座りがいいように見える。
Experience(エクスペリエンス)
この言葉は、新しい造語、概念だと考えれば理解しやすい。ITの世界では、体験とか経験と訳さない方がいい。皆が知っているexperience(体験、経験)は、過去を意味する。しかし、この「experience」という単語は、スペルこそ”体験”を意味する単語と同じだが、概念はもっと深い。過去の体験ではなく、「これまでになかった体験」と捉えればピンとくるだろう。未来に向いた概念も含んでいる。単に顧客満足度を示唆しているだけではない。これからの時代、どう(お客様の)エクスペリエンスを改善して(高めて)いくかで、企業の価値も違ってくるのだろう。