infotainment(インフォテインメント)

車載機器測定に関する翻訳に、infotainment(インフォテインメント)という言葉がよく出てくる(例えば、コネクテッドカー向けの革新的なテストソリューションのp2)。

infotainment(インフォテインメント)は、information(情報)とentertainment(娯楽)を組み合わせた言葉である。主に、自動車の分野(車載システム)で用いられ、IVI(In-Vehicle Infotainment、車載インフォテインメント)と呼ばれることもある。一昔前の車内での情報源と娯楽と言えばカーラジオとカーステレオ(カセットテープ)であったが、カーナビゲーションやTV受信/DVD再生などが普及し、IVIシステムと呼ばれるようになった。さらに、インターネット接続による情報検索/電子メールの送受信/動画配信サービスの利用、スマートフォンやウェアラブル端末との連携、音声認識、ジェスチャーコントロールなどが加わって急速に発展している分野で、自動車業界とIT業界がしのぎを削っている。

インフォテインメントについては、以下を参照。

車載インフォテインメントシステムとは?

IEEE 802.11p

無線通信測定に関する翻訳で、IEEE 802.11pという言葉が出てくる(例えば、無線LAN 802.11a/b/g/j/p/n/ac/ah Xシリーズ 測定アプリケーションN9077A/W9077A)。

「IEEE」は、「The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.(米国電気電子技術者学会)」の略称で、「802」は「802委員会(LAN/MANの標準化委員会)」の意味であり、「11」は「無線LANのワーキング・グループ」という意味である。

無線LANの規格は、IEEE 802.11b(11 Mb/s)、IEEE 802.11a/g(54 Mb/s)、IEEE 802.11n(最大600 Mb/s)と伝送速度が高速化してきて、現在はIEEE 802.11ac(最大6.9 Gb/s)が市販されている。また、IoTデバイス向けのIEEE 802.11ahも策定中である。

IEEE 802.11pは、IEEE 802.11a(5GHz帯の周波数とOFDMを用いた無線LAN規格で、狭い帯域幅で高いデータレートを実現できたが、あまり普及しなかった)をベースにして、ITS(Intelligent Transport System、高度道路交通システム)の路車間(V2I:Vehicle-to-Infrastructure)、車車間(V2V、Vehicle-to-Vehicle)通信に適合するように機能強化したものである。IEEE 802.11pは米国のITSプロジェクトに起源を持ち、米国では、物理層とMAC層のIEEE 802.11pと上位層のIEEE1609を合わせて、WAVE(Wireless Access in Vehicular Environments)と呼ばれている。欧州でも、路車間、車車間通信に5.9GHz帯のWAVEと同様のものの開発が進められている。日本は、5.8GHz帯のARIB STD-T75という規格を推進している。

ITSの標準化については、以下の参照

ITSの標準化 2015

IEEE 802.11pについては、以下を参照

DSRC(狭域通信)の現状と動向

Make-Before-Break(メイク・ビフォア・ブレーク)

測定システムの信号ルーティングに関する翻訳で、Make-Before-Break(メイク・ビフォア・ブレーク)という言葉がよく出てくる(例えば、より良いオシロスコーププロービングのための8つのヒントのp7)。

複数の信号ラインを切り替えてルーティングする際にスイッチが用いられる。スイッチには接点があり、接点を開閉することにより、回路を接続したり遮断する。

常時(スイッチがオフの状態)は接点が開いていて、スイッチがオンになると接点が閉じて(メイクして)回路がつながる接点をメイク接点と呼ぶ。a接点(arbeit contact)、常開接点とも呼ばれる。

常時(スイッチがオフの状態)は接点が閉じていて、スイッチがオンになると接点が開いて(ブレークして)回路が遮断される接点をブレーク接点と呼ぶ。b接点(break contact)、常閉接点とも呼ばれる。

2つの接点があり、一方(A)の接点が閉じていて他方(B)の接点が開いている状態で、スイッチがオンになると、Bの接点を閉じる(メイクする)前にAの接点を開く(ブレークする)動作を行なうものをBBM(ブレーク・ビフォワ・メーク)接点と呼ぶ。c接点(changeover contact)、トランスファ接点とも呼ばれる。

2つの接点があり、一方(A)の接点が閉じていて他方(B)の接点が開いている状態で、スイッチがオンになると、Aの接点を開く(ブレークする)前にBの接点を閉じる(メイクする)動作を行なうものをMBB(メイク・ビフォワ・ブレーク)接点と呼ぶ。

メイク・ビフォア・ブレークの動作については、以下を参照。

OMRON 制御機器のホームページ > テクニカルガイド > 技術解説 > 一般リレー > 用語解説の「MBB(メーク・ビフォワ・ブレーク)接点(ショーティングコンタクト)」